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2016北京国際汽車展覧会(Auto China 2016)にFull Digital Soundを出展

去る4月25日~5月4日にかけて、中国・北京で「北京国際汽車展覧会(Auto China 2016)」が開催され、日立オートモーティブシステムズブースにてクラリオンFull Digital Sound の展示を行いました。その模様をカーAV評論家 会田肇氏のレポートでお届けします。

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年間販売台数が2450万台(2015年)という世界最大の自動車市場を持つ中国で、モーターショーは特に人気の高いイベントとして多くの来場者が訪れる。その中でも“中国二大モーターショー”として一年ごとに交互に開催されているのが「北京」と「上海」。今年は4月25日より14回目となる『北京国際汽車展覧会 Auto China 2016(北京モーターショー)』が開かれ、クラリオンはここでフルデジタルサウンドシステム(Full Digital Sound)他を出展した。

会場は第一汽車など中国を代表する自動車メーカーが出展するWestホール1を抜けた特設会場内にあった。周囲には世界中の名だたる自動車部品サプライヤーが軒を連ね、自慢の環境技術や先進運転支援システム(ADAS)関連技術を展示。ここに来れば自動運転などにつながるクルマの最先端技術が一望できる、まさに注目のエリアでもあるのだ。

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Full Digital Soundが出展されていたのは、日立オートモーティブシステムズが展開するブースの入口付近。来場者は必ず目にする、まさに“特等席”とも言える場所だ。残念ながら今回の会場では試聴ができなかったが、フルデジタルで音楽を再生できるFull Digital Soundに関心を示す人は少なくなかった。会場を訪れた時も、数人がFull Digital Soundの前で足を止めて熱心にその仕組みについて質問を重ねていたほどだ。

実は、日本や欧米、オーストラリアでは4月にFull Digital Soundが発売されたが、中国では未発売のまま。背景には、中国ではマイカー文化がようやく根付いたものの、ほとんどが新車のまま使い、クルマを自分流にカスタマイズしようとするユーザーはそう多くないという判断があったようだ。そんな中国も少しずつ変化の兆しが見えてきている。近年は他にはない新しいものに関心を示す人が育ってきているようなのだ。北京モーターショーにおいても、従来の“これ見よがし”のクルマではない個性的なクルマが出品されて注目を集めたことがそれを裏付ける。

その主役が、海外での生活を経験して帰国したグローバルな感覚を持つ若い世代だ。彼らにとってクルマはすでに身近な存在となっており、その感覚はもはや日本などとそう大きくは違わないという。そうした層が、Full Digital Soundが持つフルデジタルという特別な仕様に関心を示さないはずはない。Full Digital Soundという新機軸が“気付き”につながり、ここ中国でも新たな需要を呼び起こす可能性は十分あるとみていいだろう。

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クラリオンはこの他、スマートフォン用地図「百度」を車載上で展開できるアプリケーション「CarLife」対応カーナビゲーションも出品した。「百度」は中国でもっとも使われている地図アプリケーションで、このカーナビゲーションとはUSBケーブルを介して接続するだけだ。中国では「百度」が使えるかどうかでドライブでの便利さがまるで違ってくる。音声認識にも対応しており、この連携によりカーナビゲーションがより使いやすくなるとして高い関心を呼んでいた。

その他、クラリオンは日立オートモティブシステムズが展開するADAS分野での先端技術も披露した。車載カメラを使った技術をベースとしたもので、カメラの解像度を上げることで周囲の情報収集能力を高めているのがポイント。間近に迫っている「自動駐車システム」の実現へつながる提案として多くの人が注目していた。

photo Aida Hajime

文:会田肇

カーAV評論家

1956年茨城県生まれ。自動車雑誌編集者を経てカーナビゲーションやカーAV機器を中心とした取材活動を行う。ITS分野への関心も高く、最近ではADAS(先進運転支援システム)関連にも活動範囲は及ぶ。日本自動車ジャーナリスト協会会員。
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