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写真を撮影するのなら、「印象的」な作品に仕上げてみたいものです。そのポイントはいくつかありますが、「ギラリ」も重要な要素です。越カメラマンが「ギラリ」について解説します。フォトコンテスト情報、壁紙プレゼントもお見逃しなく!

前回、「逆光で写真にメリハリをつけよう」という話をしましたが、今回は別な手法で写真にメリハリを付けようというアドバイスです。
ちなみに、Vol79の「スポットライト」も関連していますので参照してみてください。
http://www.smart-acs.com/magazine/17111503/season001.php

いろいろな場面(風景)を見ていると、その中でも一部分だけ一際輝いて見える部分があるのに気が付きます。被写体の一部もしくは全体が太陽の光を反射し、風景の中でその部分だけが光り輝いて見えるのです。それが今回のテーマの「ギラリ」です。
写真Aのように、シルエットになっているビル群の一部だけが夕日を反射していることで、画面全体で見たときに非常に強いメリハリを感じる、そういった写真です。
このメリハリこそが写真をより印象的に見せるポイントであり、私のシャッターチャンスの決め手にもなっています。

写真A

「ギラリ」を撮ろうとした場合、大切になってくるのが太陽の高度です。
日中は「ギラリ」をほとんど見つけることができません(写真B)。むしろ、朝方や夕方が近づくにつれ見つけやすくなってきます(写真C)。
これには理由があって、ファインダーの中にシルエットになる部分が生まれるからです。太陽高度が高い日中は全体に光が回っていて、被写体全体が明るく照らされています。それに対し太陽高度が低くなると、部分的に陰が生ずるのと同時に、太陽の光を反射する部分が一際輝くようになります。
ちなみに日中の上のほうから当たる光を「トップ光」といい、朝夕の横方向から当たる光を「サイド光」といいます。写真にメリハリを生むには、「サイド光」がとても大切なのです。

写真B

写真C

前回、写真撮影の際の光線状態が大切であることを解説した際に「逆光」「順光」のうち「逆光」がメリハリを生むと解説しました。しかし、今回の「ギラリ」写真の場合は「逆光」がいいとは言い切れません。写真D写真Eはその例です。
「逆光」で撮影した写真Dでは、肝心の光を放つべき被写体がシルエットになってしまい、黒く陰っています。
それに対し、「半逆光」くらいで撮影した写真Eは、太陽の光を強く反射し、画面の中に一際輝いている部分を生み出しています。ときには反射率の関係で「順光」ですら問題ない場面もあるくらいです。
「ギラリ」を狙う場面では、「逆光」「順光」であるかよりも、部分的に光り輝いているところを探し当てられるかのほうが大切なのです。

写真D

写真E

「ギラリ」写真がとても効果的なのが、鉄道写真や飛行機写真といった、動くものを撮る場合です。ですが、動く被写体の場合、太陽に対する角度は一定ではなく、動きによってその様相は変化します。
ほぼ逆光状態に近い写真F写真Gですが、写真Fの列車は輝きを発していないのに対し、写真Gの列車は側面が光り輝き、同時に列車の屋根の部分がハッキリ見えたことで、その部分も輝きを放ち、存在感が引き立っています

写真F

写真G

次に露出の設定ですが、「ギラリ」写真の場合は大胆なマイナス補正が必要になります。つまり部分的に光り輝いているところに露出を合わせることが必要となります。
写真H写真Iの場合、「±0」の写真Hに対し、「-3」とした写真Iはビルの側面の反射した部分だけが輝き、メリハリのある写真になっています。
とくに、この写真のケースのように、マイナス補正をしないと「ギラリ」としている部分を見つけにくい場面もありますので、被写体をよく観察して大胆な露出補正を心がけましょう。

写真H

写真I

「ギラリ」と反射するのは、何も建物や鉄道に限った話ではありません。自然風景の中にもギラリを生かせる場面はたくさんあります。
例えば形のよい湖沼や暗く沈んでしまいがちな河道などがそれで、日が当たり反射することでその部分が際立ってくれます。
写真Jも、河道に光が当たり「ギラリ」と反射したことで、メリハリのある風景となりました。
その意味では、建物、乗り物(飛行機・鉄道車両)などと並んで水面というのも「ギラリ」を狙うときに抑えておきたいポイントと言えるでしょう。

写真J

今回は、被写体に当たった太陽の光がスポット的に反射する「ギラリ」について見てきました。
見た目のキレイさだけを撮影していると、どうしても見落としがちなスポット的な光ですが、それを写真に生かせてこそ写真をより印象的に、個性的に見せるヒントが隠されています。
個人的には、雄大な風景の中にこそ、スポット的に光を放つ被写体の価値があると考えます。写真Kは2016年12月に廃止となった留萌本線の箸別~増毛間を行く列車を印象的に狙ってみました。

写真K
     ☆

「ギラリ」と輝くわずかな光さえ読めれば、たとえ雄大な景色であっても、そこにポッカリと浮かぶ小さな被写体を際立たすことができ、他の人では撮れない自分だけの作品が撮れるのではないでしょうか。
< PROFILE >
こし のぶゆき
1968年神奈川県生まれ。カメラ専門誌や旅雑誌の撮影・取材を行なう傍ら、「メルヘン」をテーマに全国の駅を撮影し、雑誌などに作品を発表している。公益社団法人日本写真家協会会員、日本旅行写真家協会理事。



●ダム湖百選
http://j100s.com/damuko.html

日本人は「百選」という言葉が大好きなようで、さまざまな百選があります。それは決して非難しているわけではなく、そのおかげで美しい風景のところに比較的簡単に行けるというメリットがあります。カメラ愛好家にはうれしい百選なのです。
「ダム湖百選」は、地方自治体が推薦し、財団法人ダム水源地環境整備センターの認定によって選ばれたものです。
ダムの周りにはたいてい展望台があります。周囲の自然と水が作り出す美しい風景を望めます。
水があれば、越カメラマンの語る「ギラリ」を撮影するチャンスです。
やや遠目にダム湖を眺め、湖面がギラリと光る時間を写真でとらえてみたいものです。
http://www.naruto-kankou.jp/news/view/763

「観光の鳴門」をテーマに、鳴門市うずしお観光協会が開催するフォトコンテストです。
鳴門といえば「うずしお」です。観光船が何隻もうずしおの周囲を行きます。うずしおの上には大鳴門橋遊歩道“渦の道”が設置されており、歩いてうずしおの上45m地点に行けます。そこにはガラス張りの床があり、少々怖いのですがうずしおを眺めるには最適なポイントになっています。
また、うずしおだけでなく、美しい海や風景もたくさん。鳴門の美しい風景を撮影して応募しましょう!
募集部門は自然の恵み、人々の暮らしや渦潮に橋が架かる街をとらえた「一般の部」、鳴門の渦潮と四国遍路の旅がテーマの「世界遺産をめざそうの部」、「学生の部」、「Instagramの部」などがあります。
応募期間 :
2018年11月30日(金)
応募形態 :
一般の部、世界遺産をめざそうの部、学生の部はプリントされた写真を郵送または持参。サイズはA4、B4サイズが基本。
Instagramの部は「鳴門市うずしお観光協会」のアカウントをフォローのうえ投稿。
賞品など :
(一般の部)
最優秀賞/5万円 優秀賞/1万円 入選/5000円

「おでかけマガジン」より、みなさまへ読者プレゼント実施中!
編集スタッフが取材ででかけたときに、その合間に撮影した写真でよろしければ…。という主旨の「壁紙プレゼント」コーナーです。
暑い時期に涼しげな写真を!の第2弾です。今回は「睡蓮」の写真を集めました。撮影地は高知県東部に位置する北川村にある「モネの庭 マルモッタン」。印象派の巨匠クロード・モネが愛したフランス・ジヴェルニーの庭(代表作睡蓮を描いた水の庭があります)を再現しています。自然に囲まれた美しい場所です。
https://www.kjmonet.jp/
< 著者PROFILE >
構成と写真
岩崎幸則
東京都生まれ。雑誌編集などを経てカメラ&ライターになる。現在は旅行雑誌、企業会報誌などに執筆。プロレス観戦が趣味。
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