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  3. 冬景色を上手に撮影する“光”と“色”の考察
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木々の彩りが寂しくなる冬。越カメラマンは“光”と“色”のふたつを意識して撮影しているといいます。彩りが少ない冬でも美しい風景を撮影するプロの手法を解説します。フォトコンテスト情報、壁紙プレゼントもお見逃しなく!


秋も過ぎて冬になると、辺り一帯は冬枯れのモノトーンな世界へと変わっていきます。
ドライブに出かけても「目を見張るものがない」と思われがちですが、少し意識を変えてみると、意外にも“絶好の被写体”に溢れるドラマチックな季節だと気づきます。
ここで大切になるのが、“光”と“色”です。私も冬にはこの2つを常に意識しながら撮影に臨んでいます。
そこで今回は、冬の写真を華やかに見せる光と色を活かす方法について解説したいと思います。
なお、バックナンバーの第19回で「冬の写真が上達する、とっておきのワザ」というテーマの解説もありますので、参照してみてください。
http://www.smart-acs.com/magazine/12111503/season001.php

日が短かくなるうえに草木が枯れ、色味が少なくなる冬です。実はその逆で、太陽の高度が低くなるために、太陽の光がドラマチックになる時間が長く、周囲の色味がなくなるぶん色のあるモノが際だって見えます。
例えば、海を撮ろうとしたとき、青い海を撮るならば写真Aのように昼間のほうがオススメですが、太陽高度が低くなる夕暮れ時(写真B)のほうが断然ドラマチックになります。
昼間の青い海を撮るならば、春~夏に撮ったほうが断然美しいはず。太陽高度が低くなる冬は、輝きが強まり色も鮮やかになる朝焼け・夕焼け時が絶好のチャンスになるのです。

写真A

写真B

主に太平洋側の話にはなりますが、冬は空気が乾燥し、雲の少ない快晴の日も多くなります。冬ならではの抜ける青空は、積極的に活用したいものです。それは雪の多い日本海側でも同じです。
写真C写真Dはその例で、いずれもロープウェイで樹氷を見に行ったときに撮影したカットです。
この日は次から次へと流れ行く雲によって、太陽が遮られたり顔を出したりを繰り返していました。雲が多い時に写した写真Cは、全体にメリハリが少なくパッとしません。逆に青空が出た時に撮影した写真Dは、画面全体にメリハリがあり、とても艶やかな印象になりました。

写真C

写真D

日が差したときに、赤く染まる被写体も冬ならではといえるでしょう。その代表が雪を被った富士山が紅く染まる「紅富士」です。
写真Eは日が当たっていないため色味に欠けています。それに対し、日が当たる時間帯に撮影した写真Fは手前のシルエットの山の上に紅く染まった富士山がとても印象的に輝きました。

写真E

写真F

雄大な風景だけが冬の写真ではありません。ふと足もとに目をやれば、そこには小さいながら色味溢れる被写体が沢山あります。
写真G写真H写真Iはその例です。写真Gは冬に花を咲かせるツバキの落ちた花房、写真Hは紅く色づいた小さな木の実を冬枯れの背景に浮かび上がらせてみました。また、色味が鮮やかとは言えない落ち葉も、写真Iのように光に透かすことで美しい色合いを引き出せるのです。

写真G

写真H

写真I

モノトーンな冬には、日の出、日没の前後に風景を眺めると、普段何の変哲もない場所がドラマチックに見えてきます。
写真J写真K写真Lは、私の住んでいる近くにある小さな溜池ですが、昼間撮影した写真Jに対し、日の出前に撮影した写真Kは空が焼けたうえにそれが水面に映り、とても色鮮やかな風景になりました。
また、別の日の日の出前は、少し向きは違いますがまったく違う表情を見せてくれました(写真L)。
水辺の近くはオススメの撮影スポットで、日の出前から日の出の直後は、日によっては朝霧が立つこともあります。フォトジェニックな風景が狙えるでしょう。

写真J

写真K

写真L

今回モノトーンな冬枯れの風景を華やかに変えるコツとして“光”と“色”の話をしました。写真M写真Nは、それを意識して狙ったカットです。
ちなみに、写真Mはロケハンをしたときに撮影し、写真Nはそれからしばらくして周囲の梅が咲き逆光気味に光が差す午前中に撮影したカットです。
このように光と色を意識すれば、目には見えない景色を描き出すことができます。今回は主に自然の風景を中心に話をしましたが、自然風景に限らず町の風景であっても同じことがいえます。
ぜひ、お気に入りのドライブルートで試してみてください。 

写真M

写真N
< PROFILE >
こし のぶゆき
1968年神奈川県生まれ。カメラ専門誌や旅雑誌の撮影・取材を行なう傍ら、「メルヘン」をテーマに全国の駅を撮影し、雑誌などに作品を発表している。公益社団法人日本写真家協会会員、日本旅行写真家協会理事。

「おでかけマガジン」より、みなさまへ読者プレゼント実施中!



●日本の渚100選
http://www.mori-taki-nagisa.jp/100/beach/index.html

このコーナーでも取り上げたことがある「日本の渚100選」を改めてご紹介。越カメラマンのアドバイスのように、海は夏ばかりではありません。冬にこそ朝陽や夕陽に演出される美しい風景があります。
「日本の渚100選」は、海の日が国民の祝日に制定されたのを記念して1996年に選定されました。
100選のなかには神奈川・江ノ島海岸、千葉・九十九里浜のような有名観光地もあれば、福岡・二見ヶ浦、高知・室戸岬のような景勝地もあります。さらに、歴史的な背景がある熊本・天草のキリシタンの里﨑津や長野・諏訪湖ふれあい渚、山梨・山中湖夕焼けの渚などの湖も選出されています。
いずれにしても、冬の朝陽や夕陽が似合う場所ばかり。ぜひ、撮影ドライブにでかけてください。
https://loconavi.jp/contests/40

「素敵に、よりみち」のロコナビが開催している写真コンテストです。ロコナビは全国の観光名所やテーマパークなど、広く観光情報を掲載するウェブサイトです。
写真コンテストも頻繁に開催していますが、こちらは「素敵な温泉を募集」をテーマにしたコンテストです。
おでかけマガジンのコラムに「魅惑の温泉ドライブ」があり、これまでに全国の温泉をたくさん紹介してきましたし、ドライブの途中に温泉に立ち寄るという人も多いでしょう。その際に写真を撮影して応募してください。

●募集締切:2019年4月14日

●応募形態
ロコナビにログインして、コンテストのページに掲載された方法で応募。何回でも投稿可能ですが、入賞はひとり1作品までとなります。
また、他人のプライバシーを侵害する写真、人物の顔が明確にわかる写真は応募できません。

●賞品
最優秀賞:Amazonギフト券5000円分(1名)
優秀賞:Amazonギフト券3000円分(2名)
編集スタッフが取材ででかけたときに、その合間に撮影した写真でよろしければ…。という主旨の「壁紙プレゼント」コーナーです。
タイ・ホアヒンには多くのリゾートゴルフ場があります。海沿いのコース、林間のコース、池の周囲のコースなどそれぞれに個性と特徴があり、攻め方も大きく変わります。まさに、楽園のゴルフ場です。
< 著者PROFILE >
構成と写真
岩崎幸則
東京都生まれ。雑誌編集などを経てカメラ&ライターになる。現在は旅行雑誌、企業会報誌などに執筆。プロレス観戦が趣味。
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