社長インタビュー

創業70周年へ向け、クラリオンが目指す方向性とは?

取締役社長 泉 龍彦

■出身地:東京都
■最終学歴
1975年3月 成城大学経済学部
1975年4月 米国留学
■略歴
1976年4月 当社入社
海外OEM営業部(アメリカ駐在含む)、デバイス営業部、OEM営業本部を経て
2001年6月 当社取締役社長就任
現在に至る
■趣味:ゴルフ

“We Are Clarion” Kick Off Meeting

2005年1月20日、クラリオンの本社事務所近くにある戸田市文化会館大ホールに、クラリオン社員が集結した。この日、ブランド力強化を目指して、「“We Are Clarion” kick off meeting」が開催されたのである。 これは、車載音響という世界で65年以上にわたり、業界を牽引してきたクラリオンの強さを、社員1人ひとりが再認識し、自社のブランドに誇りを持ち、日々の仕事に積極的に取り組んでいこうということを、社長以下、経営陣らが自らの言葉でメッセージとして伝えるイベントであった。

社長である泉は、この日「クラリオンがブランドに真剣に取り組むことで、企業をとりまくステークホルダーである、株主やお客さま、そして社員自身の信頼関係を強化することができる」と宣言した。 「我々が、ブランドに誇りを持ち、魅力ある製品を世の中に提案し続ければ、お客様にクラリオン製品を安心して購入していただくことができるであろう。安定的に高い収益をあげることができるようになれば、それはすなわち、我々を支える株主にも還元されることとなる。

そして、広く世界にブランドが浸透することで、そこで働く我々は、やりがいと誇りを持って働くことができ、より高い労働意欲と、お客様への商品サービスレベル向上へと繋がる。我々はクラリオンで働く社員であるということに、誇りをもって胸を張って生きていこう!」社員一人一人に向って語りかけたのであった。

2010年、クラリオンは創業70周年を迎える。「新たな飛躍と進化」を遂げるため、第65期となった2004年に、新企業ビジョン『Vision-70』が策定された。同時に計画された、中期経営計画『MOVE(More Valuable Enterprise)20』とともに、これまでよりさらに「価値ある企業」へと変革することを目指す。

泉は、次のようにその自信を語る。
「クルマのなかで必要とされる『情報』と、その提供のための『装置』に対しては、日増しに要求が高度化してきています。たとえば、カーナビゲーションにおいては、単にルート検索を行うだけでなく、道路情報や周辺案内といった付加価値の高い付帯情報も求められるようになっているのです。クルマは、もはや移動手段ではなく、生活空間の一部となっていると言って良いでしょう。

ここ数年の間で、車載機器の専業メーカーとして業界をリードしてきたクラリオンにとって、我々を取り巻く環境は非常に良い方向に転じている。OEM市場では、自動車メーカーとの取引は非常に順調に推移しており、市販市場ではヒット商品が続けざまに出ていることからも、それはおわかりいただけるでしょう。研究開発投資がクラリオン独自の新機軸として結実し、製品の仕様・品質・リリースのタイミング、すべてが市場の要求を満たしたからこそ、ヒットにつながっているのです」

クラリオンが創るクルマの未来

そして、「今こそ、これまでの雌伏から雄飛へとジャンプアップする時期」と、泉は力を込める。   04年3月期末、クラリオンはわずかに減収ながら過去最高益をあげることが出来た。これによりそれまでの負の遺産を解消し(連結繰越損の解消)、あらたな開発投資を積極的に行っている。

クルマと情報ネットワークを接続する「テレマティクス」、人間とドライブ環境との新たな関係を構築する「HMI(Human Machine Interface)」、愛知万博で実用化される車間距離を保ちながら自動運行を行う「IMTS」車々間通信、車両に発生する前後左右の死角をカバーする車載カメラの開発・商品化、そしてiPod対応車載端末に代表される車内音響空間の最適化…。

これらすべてが、クラリオンの持つ技術と事業のフィールドであり、守りから攻めに開発投資が行われている分野なのである。 「クラリオンはメーカーですから、あくまで良い商品をつくり、企業としての付加価値を高めていくことにこだわっていきます。これは、良かった頃も苦しかった頃も変わらないクラリオンの基本姿勢です。

少し前まで世間では、財務的に優良な、お金を持っている会社が良いとされてきましたが、それだけではダメだと、人も市場も、みんなが気付いてしまった。時代が我々に追い付いてきたのです。」クルマという車室空間のなかでこれから広がる可能性、そして、企業としての在り方そのものに対する確固たる価値観。その両方がクラリオンを後押しする風となって吹きだしているのだ。 「車載機器については、ある種の飽和状態と見る人もいますが、オーディオ、ナビ、コンピューティングと、付加価値はむしろ高まっています。

今後はクルマの走行系と車載機器との連動をいかに実現していくかが焦点になってくるでしょう。このときこそ、車内における安全とエンターテイメントを、常に地道に追求してきたクラリオンの蓄積技術やノウハウが必ず求められる。敢えて言うならば、クラリオンの技術、製品がなければクルマが走らない、そういう状況すらありえるでしょう。まさに今、クラリオンは大きくはばたく雄飛のタイミングにいるのです」

その端緒として、05年以降には、製品ブランドの『ADDZEST』のみならず、コアコンピタンス(競争力の源泉)として『Clarion』ブランドを広く打ち出し、アピールしていくという。それを社内で共有化したのが「”We Are Clarion” kick off meeting」だったのである。

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