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紅葉が美しい季節になりました。紅葉写真を美しく撮影したいのなら、覚えておきたい3つのコツがあります。越カメラマンが紅葉撮影のポイントを教えます。写真コンテスト情報、壁紙プレゼントもお見逃しなく。

日本の秋を鮮やかに彩る紅葉。しかし、その紅を鮮やかに見せるのには結構苦労します。今回は、その原因を解説しつつ、紅葉を鮮やかに見せる3つのポイントを紹介したいと思います。

これまでも紅葉の撮り方について解説してきましたが、そもそも紅葉を撮影する時(それ以外の被写体もですが)大敵となるのが、「くもり」と「順光」です。
くもりの日は光が均一で、忠実な色再現をするには好都合です。しかし、私が考える「(光と陰の)メリハリを生かして絵を作る」という本来の写真表現においては、「くもり」はその条件をまったく満たしてくれません。
また、「順光」は光は均一に当たるのかも知れませんが、先に述べたメリハリという観点からは逆効果です。被写体の表面に目障りな影ができる点からも、写真撮影においては適した光線とは言えません。
しかも、こうした状況では「露出」は概ねカメラの算定値通り。
写真Aもせっかくの紅葉が白い空に沈んでしまいあまり美しくありません。

写真A

紅葉を鮮やかに見せるにはどうしたらよいのか。今回は私が考える「三種の神器」としてそのポイントを紹介したいと思います。
まず1つ目は「光と陰」です。紅葉の写真を鮮やかに見せる場合、「光と陰」がなくてはメリハリが生まれません。しかも、「光」だけでは不十分で、「光」を引き立てる強烈な「陰」があると相乗効果が生まれます。

2つ目は「逆光」です。全体にフラットに光が均一に当たり全体が明るくなる順光に対し、暗いところ(陰)と明るいところ(光)の明暗差ができ、写真にメリハリが生まれるのが「逆光」です。この逆光を生かすことが1番目の「光と陰」にも繋がるのです。

3番目が「露出」です。「逆光」で狙い「光と陰」が生まれることで、そのイメージをより強調するためには、カメラ任せの露出設定ではなく場面に応じた「露出(補正)」が欠かせません。

写真Bは「くもり」「順光」「補正0」に対し、写真Cは「晴れ」「逆光」「補正-1」で撮影しています。今回はこのあたりをもう少し解説していきます。

写真B

写真C

せっかくの紅葉ですが、写真Dは「くもり」に、写真Eは「晴れ」に撮影しています。見ていただければ一目瞭然。写真Eのほうが明らかに紅が強く、鮮やかに見えます。
ただし、紅いだけでは写真に撮ってもただの紅。これでは人を引きつけるだけの写真にはなりません。

写真D

写真E

写真F写真Gは同じ木を「順光」と「逆光」からそれぞれ撮影したものです。
写真Fの赤も鮮やかなのですが、写真Gと比べるとその際立ち方は一目瞭然です。「逆光」だとそれだけ強いインパクトが現れるのです。

写真F

写真G

「光と陰」、「逆光」によって生まれる鮮烈な紅色を引き出すには、「露出(補正)」の影響を無視することができません。
写真Hはカメラの出た目通りですが、写真Iは「露出補正」を-1に設定しています。これによって、少し薄まったような紅色をしている写真Hに対し、被写体本来の濃い色で再現されています。
全般的な傾向としてはマイナス側に振ることが多いようですが、場面によっては逆になることもあるので注意を払ってください。

写真H

写真I

この三種の神器、実は雨が降ってしっとりと紅葉が潤ったときも使えます。
雨に濡れた葉の色味が増し、木肌や建物の陰がいっそう濃い陰になると、逆光で狙うことで紅葉が際立って見えてきます。ただしこの時も「露出(補正)」をすることが大切です。ちなみに写真Jは-0.5補正しています。

写真J

写真Kは、埼玉県にある寺社の紅葉で、山奥と言うよりも東京近郊の住宅地周辺で撮影したものです。
当然「光と陰」「逆光」「露出(補正)」を意識して撮影したもので、夕暮れが近づきつつある空を背景に逆光で透けるモミジの紅葉を+0.7補正(このケースでは空がやや明るかったので、+補正することで紅い色が際立ちました)で撮影しています。
ぜひ皆さんも今年ドライブルートで見つけた紅葉がありましたら、今回紹介した三種の神器を思い浮かべながら撮影してみてください。

写真K
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こし のぶゆき
1968年神奈川県生まれ。カメラ専門誌や旅雑誌の撮影・取材を行なう傍ら、「メルヘン」をテーマに全国の駅を撮影し、雑誌などに作品を発表している。公益社団法人日本写真家協会会員、日本旅行写真家協会理事。


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10月中旬の北海道を旅しました。すでに紅葉が始まっている木、すでに葉を落とした木、まだ緑の葉をつけている木が混在し、森に美しいコントラストがありました。
< 著者PROFILE >
構成と写真
岩崎幸則
東京都生まれ。雑誌編集などを経てカメラ&ライターになる。現在は旅行雑誌、企業会報誌などに執筆。プロレス観戦が趣味。
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